第2部 礼典諸式 第13節 婚約式 教会員が仲介人によって結婚の話を進めた時、牧師の立合いで婚約式を行う。ある人は婚約式を不要とするが、教会は未婚の男女が多く、結婚発表前に二人の交際を誤解されることがあるから、適当な時期に婚約式を行い、その旨を教会員一同に公表しておくのはよいことである。 当日は本人たちと仲介人、後見人(両親、兄姉、伯父伯母等)が出席し、和室ならば牧師を中心に左右に着席して式を行う。もし結納を交換する場合は、式直後、婿方から「本日は結納を持参しました。どうか先方へお納めくださいますよう、よろしくお願いいたします」とあいさつをする。そこで仲介人は「それでは略儀で恐縮ですが、お取次ぎさせていただきます」と受けて、嫁方に運ぶ。そして嫁方からは受書を得て、婿方へ取次ぎ「とどこおりなくご結納もすみましてまことに感謝でございました」と報告する。 今日では、従来の古式結納の品々をそろえ、結納金を包む形式よりも、結納金の代りに一生残る記念品として指輪を送ることが合理的のようである。また双方が信者同士ならば、聖書か讃美歌を記念とし、署名して贈ることもよい。式後は、茶菓で和気あふれる時間を持つのがよい。 賛美 聖歌 500「みことばなる」 祈祷 式辞 愛する兄弟姉妹、私たちは今ここに神の導きと信じ、御前にある男女に対して婚約の式を行おうとしています。 婚約とは、神の特別な恵みと導きとによって将来適当な時に結婚しようとする志を明らかにし、その約束を公にすることであります。それゆえ、婚約する二人は、神の御前に清い交わりを保ち、日々の行動を慎み、互いに愛と理解とを深めるよう努力すべきであります。両親たちはもちろん、親戚、知人、友人たちも二人を導いて、将来の結婚に支障のないよう協力すべきであります。 聖書 ペテロの手紙第一、1章13-25節 ですから、あなたがたは、心を引き締め、身を慎み、イエス・キリストの現われのときあなたがたにもたらされる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。従順な子どもとなり、以前あなたがたが無知であったときのさまざまな欲望に従わず、あなたがたを召してくださった聖なる方にならって、あなたがた自身も、あらゆる行ないにおいて聖なるものとされなさい。それは、「わたしが聖であるから、あなたがたも、聖でなければならない。」と書いてあるからです。また、人をそれぞれのわざに従って公平にさばかれる方を父と呼んでいるのなら、あなたがたが地上にしばらくとどまっている間の時を、恐れかしこんで過ごしなさい。……あなたがたは、真理に従うことによって、たましいを清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、互いに心から熱く愛し合いなさい。あなたがたが新しく生まれたのは、朽ちる種からではなく、朽ちない種からであり、生ける、いつまでも変わることのない、神のことばによるのです。「人はみな草のようで、その栄えは、みな草の花のようだ。草はしおれ、花は散る。しかし、主のことばは、とこしえに変わることがない。」とあるからです。あなたがたに宣べ伝えられた福音のことばがこれです。 祈祷 恵みに富みたもう天の父よ、聖なる摂理によって、この兄弟と姉妹とは、互いの愛と理解のもとに将来結婚する意志を表明し、いま主と証人との前で婚約の誓いをなそうとしています。願わくは、ここに挙げる婚約の礼典を祝し、ことごとく御旨にかなわせ、その口に誓うところを誠実ならしめてください。主イエスの御名によってお願いいたします。 アーメン。 誓約 問 ( )と( )、あなたがたはいま神の御前で婚約するにあたり、主イエス・キリストがその教会を愛された聖なる愛にならって、今後の交わりを神と人との前で清く正しく保つことを誓約しますか。 答 誓約します。(あるいは頭を下げる) 祈祷 天地の造り主なる恵み深い御神よ、今この二人を聖なる誓いのもとに、婚約させてくださいましたことを感謝いたします。願わくは、その信仰と志とを守り、その交際と生活とをきよめ、いよいよ深い愛と理解とに進ませてください。またどこにあってもキリストの教会の徳を建て、やがてゆるされて結婚をする時まで、天来の祝福を豊かに受ける者とさせてください。主イエスの御名によってお祈りいたします。 アーメン。 (仲介人が祈りをささげることも大切なことである) 主の祈り 賛美 聖歌 588「主とともにあゆむ」 頌栄 祝祷